トンデモ判決
博多金塊事件「“出来レース”だった」無罪主張へ 4被告、あす
他に審理が始まるのは実行役とされる工員白石智則(34)、会社役員白根敬大(27)、会社員内田拓海(25)の3被告=いずれも名古屋市。主犯格とされる野口直樹(43)、弟の和樹(42)と沓掛祐介(39)の3被告は分離され、初公判は年明けの見通し。
関係者によると、事件は中垣被告が刑務所仲間から持ちかけられた「もうけ話」が発端。中垣被告が和樹被告に相談し、沓掛被告らが実行役を募ったという。
中垣被告らは「(合意の上なので)事件化されない、との情報を基に計画を練り、警察官を装って金塊を盗むふりをした」として事件が“出来レース”だったと供述。弁護側は「持ち去りはしたが、窃盗の犯意はなかった」としている。
一方、被害に遭った貴金属販売会社の実質的経営者の男性は取材に対し「盗難保険に入っておらず、損失しかないことをするはずがない」と否定。検察側は「金塊を奪うため入念に計画された犯行」との筋書きで立証する方針で、金塊事件の背景がどこまで明かされるかも注目される。
起訴状によると、中垣被告らは共謀して昨年7月8日朝、博多駅近くのビルのエントランスで会社役員の男性らから約160キロの金塊などが入ったケースを盗んだとされる。
事件を巡っては愛知県警の現職警察官が捜査情報を和樹被告らに漏らした疑いが浮上しており、地方公務員法違反の疑いがあるとして同県警が調べている。
=2017/10/24付 西日本新聞朝刊=